• 猫の心筋症
    2019.10.03

    本日は猫さんの心筋症についてお話しさせていただきます

    と始めておいてなんですが、犬のお話からさせていただきますね。。。

    犬の心臓病の多くは僧帽弁閉鎖不全症(いわゆる弁膜症)で、高齢になってから発症することが多く、心雑音が発生しその強度と重症度がよく相関する病気ですので、動物病院に来院していただいた時の身体検査で指摘されて比較的早期に発見し対応できることが多い病気です。

    これに対して猫で最も多い心臓病は心筋症です。(肥大型心筋症、拘束型心筋症、不整脈源性右室心筋症、拡張型心筋症など)

    心筋症は心臓の筋肉の病気ですので心雑音を伴わないことも多く、身体検査だけで発見することが難しい病気です。また、犬の弁膜症と異なり、1歳未満の若齢から発症することも少なくありません。若くて元気、身体検査上も異常が無いからといって否定できる病気では無いわけです。

    それゆえ、手術を受ける際に偶発的に見つかったり、手術後に心不全を発症したり、突然呼吸困難となり、心臓の検査をしたら心筋症だったなど進行してから発見されるということも少なくありません。

    では早期に発見するにはどうしたら良いのでしょうか?

    猫の心筋症を診断するには胸部レントゲンや心電図検査でも難しいため、やはり心エコー検査を受けていただくのが最も良いです。

    この病気にかかりやすい猫種としてメインクーン、ラグドール、ブリティッシュショートヘアー、ペルシャ、ノルウェージャンフォレストキャットなどが報告されています。また、メスよりもオスの方が多い(オスの割合が70%程度とする報告がほとんどです)と報告されています。

     

    少なくともこれらの猫種やオスにおいては病気の早期発見早期治療のためにも、若い時から年に一度程度心エコー検査を受けていただくことをお勧めいたします。

    心筋症に限らず呼吸が早い、失神してしまう、咳が出るなど心臓病が疑われる症状がある場合にはお気軽にご相談ください