• 食餌アレルギーとアトピー皮膚炎
    2019.10.19

    アレルギー性皮膚炎、食餌アレルギー、アトピー性皮膚炎……

    皮膚病の診察でよく聞く病名ですが、この3つの皮膚病の違いをちゃんと説明しようとすると意外と難しいかもしれません。

    一般的には、痒みの発症に免疫反応が関与すると考えられている皮膚病をまとめて「アレルギー性皮膚炎」と言い、「食餌アレルギー」と「アトピー性性皮膚炎」は、その「アレルギー性皮膚炎」と呼ばれる皮膚病の中の1つと考えられています。

    (正確には「アトピー性皮膚炎」は人での病名なので、似たような皮膚病が犬で発症した場合には「犬アトピー性皮膚炎」と呼びます。また猫ではアトピー性皮膚炎という病名自体が存在しないですが、ここではまとめて「アトピー性皮膚炎」とします)

    さて、この食餌アレルギーとアトピー性皮膚炎という皮膚病はなかなか厄介で、見た目の症状がよく似ているので、普通に診察しただけでは正確に診断することが困難です。

    現在のところ、この2つの皮膚病を鑑別するために最も有効と言われているのが、「除去食試験」と呼ばれる診断方法です。

    除去食試験とは、食餌アレルギーを発症させにくい「除去食」と呼ばれる食餌を食べさせて、もし皮膚病が治ったら「食餌アレルギー」、治らなければ「アトピー性皮膚炎」というように診断する検査です。

     

    このように書くと、いかにも簡単そうですが、実際やってみるとこれが大変なのです。飼い主さんが……

    この除去食試験を成功させるためには、「2ヶ月間、除去食と水以外一切口にしない!」という鉄のルールがあるからです。

    もし除去食期間中に、「ちょっと、ほんの少し、パンの耳をあげよう。欲しがるから……」というようなことがあったら、その時点から再び除去食試験をやり直さなくてはならない、とても飼い主さんの忍耐力が要求される検査なのです。

    最近では、とても高品質の除去食が手に入るようになったので、もし慢性的な痒みが気にある場合には動物病院に食餌の相談されてみてもいいかと思います。