• ステロイド剤の使い方
    2020.01.18

    こんにちは。皮膚科を担当している吉田昌則です。

    皮膚科ではアレルギー性の皮膚病の治療には、しばしばステロイド剤が使われますが、このステロイド剤はとても治療効果が高い反面、ちょっと効き過ぎてしまうと、むしろ皮膚の症状が悪化してしまうことがあります。

    そういう意味ではステロイド剤は、ちょっと怖い薬かもしれません。

    しかし、必要以上に恐れることないです。むしろステロイド剤を使用しないと、もっと皮膚病が複雑になってしまい治療がより困難になってしまう事もありますし、もし使用する事でステロイド剤の悪影響が出てしまったとしても、その後に適切な処置をすれば皮膚の状態は戻ります。

     

    このワンちゃんは耳の皮膚病の治療としてステロイド剤の塗り薬を使用していましたが、薬を塗っていた場所の毛が抜けてきてしまったという事で来院されました。

     

     

     

    初診時です。ほとんど毛が無くなってしまっています。

     

     

     

    このワンちゃんは、皮膚の痒みに配慮しながら、ステロイド剤の塗る回数を減らしていきました。

     

     

    それから、1ヶ月後。特に痒みもなく、耳の毛もうっすら生えてきました。

     

     

    先ほども書きましたが、ステロイド剤はすぐ効果が現れるのでとても使いやすい薬ですが、ちょっと油断すると悪影響が出てしまうことがありますので、獣医師の診察をしっかり受けながら適切に使用してください。