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専門外来ブログ

  • 安静時呼吸数計測のススメ
    2023.07.21

    こんにちは!循環器科担当させていただいている水野です。

    猛暑日が続いていてペットの健康も気にかかる日々が続いていますね。
    実際に梅雨入り以降心臓病が悪化して来院する犬が増えているように感じています。
    私自身は犬の僧帽弁閉鎖不全症に対する外科治療も実施させていただいておりますが、ここのところ依頼件数も増えてきています。

    心臓病を患う動物と一緒に暮らしているご家族にはこのような時期に是非していただきたいことがあります。

    それは安静時呼吸数の計測です。

    健康な犬猫の安静時呼吸数は1分間あたり10回程度なのですが、心臓病を治療している動物では20回前後に増加していることが多く、病態の悪化にともなって安静時呼吸数は増加することがわかっています。ご自宅で安静時呼吸数を毎日記録していただくことで、その子の状態が落ち着いているのか、悪化してしまっているのかを大まかに推し量ることができます。

    病院での検査は病態を把握する一つのツールではありますが、あくまでその時の状態を把握するものであって、その後の経過を完璧に見通せるわけではありません。
    安静時呼吸数を記録して頂き、ご自宅でも悪化していないかどうか観察していただくことで、予期せぬ悪化を早期に発見しよりよい治療を施すことが可能となります。

    動物にかける負担を減らし、よりよい状態を少しでも長く維持していくためにも、是非安静時呼吸数の計測と記録をつけてみてください。

  • 猫の心臓病
    2023.04.20

    循環器科担当の水野です。

    本日は不整脈が認められた猫さんの検査をさせていただきました。

    今回検査させていただいた子は不整脈の再発はなく、本日の検査でも幸いにして異常は認められませんでしたが、猫に多い心臓病である心筋症は犬に多い僧帽弁閉鎖不全症と異なり、心筋症になっていたとしても心雑音が聴取されないことも多いため、身体検査で発見することが非常に難しい病気です。

    また、若齢から老齢まで様々な年齢層で診断される病気なので、若ければ大丈夫ということもありません。

    特にこの病気を起こすことが多い猫種(メインクーン、ラグドール、ブリティッシュショートヘア、スフィンクス、ノルウェージャンフォレストキャットなど)を飼われている方は一度心エコー図検査を受けていただく事をおすすめいたします。

  • 台風一過にご用心
    2021.10.01

    循環器科担当の水野です。
    大型の台風が通過中ですが、皆さん問題なくお過ごしでしょうか?

    実はこの台風、心臓病とは無関係ではなさそうです。人医療の分野でも気圧が大きく変化した場合には心疾患が悪化する可能性が指摘されています。

    これは動物でも同様で、台風が多く通過するこの時期は僧帽弁閉鎖不全症などの容量負荷疾患をもつ犬では心臓病が急激に悪化してしまうことが少なくありません。

    実際に最近肺水腫を起こしてしまう犬が増え、私のところに来る手術依頼も増えています。

    本日も大型の台風が関東近郊を通過します。もともと心臓病を指摘されているワンちゃんは通過後1週間程度はよく様子を見てあげてください。

     

    ※心臓病が悪化したかどうかをご自宅で推し量る指標としては安静時呼吸数の測定が最も優れています。普段から安静時呼吸数を測定して記録をつけていただくことをお勧めします!

    (参考:心臓病を患っている犬の安静時呼吸数は20回/分程度。安静時呼吸数が40回/分を超えると肺水腫になっている可能性が高いと言われています)

  • 犬の僧帽弁閉鎖不全症について
    2020.03.26

    循環器科担当の水野です。こんにちは

     

    本日の診察では僧帽弁閉鎖不全症に罹患した犬が多く来院しました。

    この病気を診させていただいていると、「心臓病となったということは散歩も控えた方がいいでしょうか?」というご質問をよくいただきます。

    これについては厳密にいうと運動させた群とさせなかった群を比較検討した報告がない為、

    残念ながら絶対に正しいと言える答えは持ち合わせておりません。

    運動制限すれば心拍や血圧の変動が最小限となり、心臓単体で見るとこの病気の悪化は遅らせることができるかもしれません。

    しかしながら、安易に運動制限すると筋力や体力の低下を招き、老化や虚弱を加速させ、まだ心不全にもいたっていない子については、体全体を考えるとむしろ悪影響の方が多いのではないかと個人的には考えています。

    ですから、心臓病になっていても重症でない子については、このようなご質問を受けた場合には、可能な限り今までと同様の生活を送るように心がけていただき、ご家族がついていける範囲内での運動はむしろ制限しないほうがいいのではないかとお伝えするようにしております。

     

    ※心不全になる可能性が高い状況においてはこの限りではありませんので、その時はそうお伝えさせていただきますのでご確認くださいね。

    心臓病についてはしっかり検査を受けていただいて状態をできるだけ正確に把握させていただいて上で、ペットとそのご家族ができる限り幸せな生活を送れるようこれからもサポートしていきたいと思った1日でした。

  • ステロイド剤の使い方
    2020.01.18

    こんにちは。皮膚科を担当している吉田昌則です。

    皮膚科ではアレルギー性の皮膚病の治療には、しばしばステロイド剤が使われますが、このステロイド剤はとても治療効果が高い反面、ちょっと効き過ぎてしまうと、むしろ皮膚の症状が悪化してしまうことがあります。

    そういう意味ではステロイド剤は、ちょっと怖い薬かもしれません。

    しかし、必要以上に恐れることないです。むしろステロイド剤を使用しないと、もっと皮膚病が複雑になってしまい治療がより困難になってしまう事もありますし、もし使用する事でステロイド剤の悪影響が出てしまったとしても、その後に適切な処置をすれば皮膚の状態は戻ります。

     

    このワンちゃんは耳の皮膚病の治療としてステロイド剤の塗り薬を使用していましたが、薬を塗っていた場所の毛が抜けてきてしまったという事で来院されました。

     

     

     

    初診時です。ほとんど毛が無くなってしまっています。

     

     

     

    このワンちゃんは、皮膚の痒みに配慮しながら、ステロイド剤の塗る回数を減らしていきました。

     

     

    それから、1ヶ月後。特に痒みもなく、耳の毛もうっすら生えてきました。

     

     

    先ほども書きましたが、ステロイド剤はすぐ効果が現れるのでとても使いやすい薬ですが、ちょっと油断すると悪影響が出てしまうことがありますので、獣医師の診察をしっかり受けながら適切に使用してください。

     

     

     

     

     

     

     

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芝溝街道沿いにあります、図師大橋の交差点にある、
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また駐車場は10台完備しております。

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受付時間 日/祝

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