循環器科担当の水野です。
本日は不整脈が認められた猫さんの検査をさせていただきました。
今回検査させていただいた子は不整脈の再発はなく、本日の検査でも幸いにして異常は認められませんでしたが、猫に多い心臓病である心筋症は犬に多い僧帽弁閉鎖不全症と異なり、心筋症になっていたとしても心雑音が聴取されないことも多いため、身体検査で発見することが非常に難しい病気です。
また、若齢から老齢まで様々な年齢層で診断される病気なので、若ければ大丈夫ということもありません。
特にこの病気を起こすことが多い猫種(メインクーン、ラグドール、ブリティッシュショートヘア、スフィンクス、ノルウェージャンフォレストキャットなど)を飼われている方は一度心エコー図検査を受けていただく事をおすすめいたします。
循環器科担当の水野です。
大型の台風が通過中ですが、皆さん問題なくお過ごしでしょうか?
実はこの台風、心臓病とは無関係ではなさそうです。人医療の分野でも気圧が大きく変化した場合には心疾患が悪化する可能性が指摘されています。
これは動物でも同様で、台風が多く通過するこの時期は僧帽弁閉鎖不全症などの容量負荷疾患をもつ犬では心臓病が急激に悪化してしまうことが少なくありません。
実際に最近肺水腫を起こしてしまう犬が増え、私のところに来る手術依頼も増えています。
本日も大型の台風が関東近郊を通過します。もともと心臓病を指摘されているワンちゃんは通過後1週間程度はよく様子を見てあげてください。
※心臓病が悪化したかどうかをご自宅で推し量る指標としては安静時呼吸数の測定が最も優れています。普段から安静時呼吸数を測定して記録をつけていただくことをお勧めします!
(参考:心臓病を患っている犬の安静時呼吸数は20回/分程度。安静時呼吸数が40回/分を超えると肺水腫になっている可能性が高いと言われています)
循環器科担当の水野です。こんにちは
本日の診察では僧帽弁閉鎖不全症に罹患した犬が多く来院しました。
この病気を診させていただいていると、「心臓病となったということは散歩も控えた方がいいでしょうか?」というご質問をよくいただきます。
これについては厳密にいうと運動させた群とさせなかった群を比較検討した報告がない為、
残念ながら絶対に正しいと言える答えは持ち合わせておりません。
運動制限すれば心拍や血圧の変動が最小限となり、心臓単体で見るとこの病気の悪化は遅らせることができるかもしれません。
しかしながら、安易に運動制限すると筋力や体力の低下を招き、老化や虚弱を加速させ、まだ心不全にもいたっていない子については、体全体を考えるとむしろ悪影響の方が多いのではないかと個人的には考えています。
ですから、心臓病になっていても重症でない子については、このようなご質問を受けた場合には、可能な限り今までと同様の生活を送るように心がけていただき、ご家族がついていける範囲内での運動はむしろ制限しないほうがいいのではないかとお伝えするようにしております。
※心不全になる可能性が高い状況においてはこの限りではありませんので、その時はそうお伝えさせていただきますのでご確認くださいね。
心臓病についてはしっかり検査を受けていただいて状態をできるだけ正確に把握させていただいて上で、ペットとそのご家族ができる限り幸せな生活を送れるようこれからもサポートしていきたいと思った1日でした。
こんにちは。皮膚科を担当している吉田昌則です。
皮膚科ではアレルギー性の皮膚病の治療には、しばしばステロイド剤が使われますが、このステロイド剤はとても治療効果が高い反面、ちょっと効き過ぎてしまうと、むしろ皮膚の症状が悪化してしまうことがあります。
そういう意味ではステロイド剤は、ちょっと怖い薬かもしれません。
しかし、必要以上に恐れることないです。むしろステロイド剤を使用しないと、もっと皮膚病が複雑になってしまい治療がより困難になってしまう事もありますし、もし使用する事でステロイド剤の悪影響が出てしまったとしても、その後に適切な処置をすれば皮膚の状態は戻ります。
このワンちゃんは耳の皮膚病の治療としてステロイド剤の塗り薬を使用していましたが、薬を塗っていた場所の毛が抜けてきてしまったという事で来院されました。
初診時です。ほとんど毛が無くなってしまっています。
このワンちゃんは、皮膚の痒みに配慮しながら、ステロイド剤の塗る回数を減らしていきました。
それから、1ヶ月後。特に痒みもなく、耳の毛もうっすら生えてきました。
先ほども書きましたが、ステロイド剤はすぐ効果が現れるのでとても使いやすい薬ですが、ちょっと油断すると悪影響が出てしまうことがありますので、獣医師の診察をしっかり受けながら適切に使用してください。
アレルギー性皮膚炎、食餌アレルギー、アトピー性皮膚炎……
皮膚病の診察でよく聞く病名ですが、この3つの皮膚病の違いをちゃんと説明しようとすると意外と難しいかもしれません。
一般的には、痒みの発症に免疫反応が関与すると考えられている皮膚病をまとめて「アレルギー性皮膚炎」と言い、「食餌アレルギー」と「アトピー性性皮膚炎」は、その「アレルギー性皮膚炎」と呼ばれる皮膚病の中の1つと考えられています。
(正確には「アトピー性皮膚炎」は人での病名なので、似たような皮膚病が犬で発症した場合には「犬アトピー性皮膚炎」と呼びます。また猫ではアトピー性皮膚炎という病名自体が存在しないですが、ここではまとめて「アトピー性皮膚炎」とします)
さて、この食餌アレルギーとアトピー性皮膚炎という皮膚病はなかなか厄介で、見た目の症状がよく似ているので、普通に診察しただけでは正確に診断することが困難です。
現在のところ、この2つの皮膚病を鑑別するために最も有効と言われているのが、「除去食試験」と呼ばれる診断方法です。
除去食試験とは、食餌アレルギーを発症させにくい「除去食」と呼ばれる食餌を食べさせて、もし皮膚病が治ったら「食餌アレルギー」、治らなければ「アトピー性皮膚炎」というように診断する検査です。
このように書くと、いかにも簡単そうですが、実際やってみるとこれが大変なのです。飼い主さんが……
この除去食試験を成功させるためには、「2ヶ月間、除去食と水以外一切口にしない!」という鉄のルールがあるからです。
もし除去食期間中に、「ちょっと、ほんの少し、パンの耳をあげよう。欲しがるから……」というようなことがあったら、その時点から再び除去食試験をやり直さなくてはならない、とても飼い主さんの忍耐力が要求される検査なのです。
最近では、とても高品質の除去食が手に入るようになったので、もし慢性的な痒みが気にある場合には動物病院に食餌の相談されてみてもいいかと思います。
芝溝街道沿いにあります、図師大橋の交差点にある、
犬の足跡のマークの看板(オレンジ)が目印です。
また駐車場は10台完備しております。
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日/祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
9:00~12:00 (初診 9:00〜11:30) |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
16:00〜19:00 (初診 16:00〜18:30) |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
【お知らせ】
初診とは継続再診以外の方、または新規患者をさします。
【夜間救急】夜間対応病院はこちらをご確認ください